Deer〜、それほどでも〜
はじめにお伝えしておきますが、ニッキ生八ツ橋ではありませんし、皮付きの中華ちまきでもありません。なぜならコレにはハンドルが2つ付いていますし、特徴的なトライアングルをスナップボタンひとつで馴染みのある長方形に変形させることもできるからです。
そしてそもそもコレは、バッグです。
つまり、BLESSのSamosaはこういうバッグです。けっきょく、サモサでした。パリッとした三角。しかしバッグです。
もはやお馴染み、ゴブラン織。今回は鹿さんです。みなさん、こちらを向いていますね。その視線にお答えして、ぼくたちも見つめてゆきます。
一般的なトートバッグよろしく、短い方の一辺がバッグの口になっています。うん、そりゃそうだろうと。何故こんなまわりくどい説明をするかといえば、鋭い方はすでにお気づきかもしれませんが、こういうバッグだからです。
まずは、いま一度ボタンを留めトライアングルにしたところで、ふつうに提げてみます(サモサだったら、生地を三角に包んでふつうに揚げるんでしょうね)。
つぎに、垂れ下がった長い方を肩に掛けてみます。
こういうバッグです。
なんて平然としていますが、「口を下にしたら中身が、おっこっちゃうじゃん!!」。
そんなご指摘は至極ごもっとも。
しかし!問題ございません。むしろ、です。
バッグ入り口にはチャックが付いています。
「お口チャック!」なんて言われると、よく軽い憎しみを覚えたものです。なぜならぼくはお口ミッフィー派ですからね。
冗談はさておき。
中身が落ちないどころか、脇腹のこの位置にバッグの口、とてもアクセスがしやすいです。
サイズと位置が相まって、ジャケットやアウターの中に忍ばせてみても恐ろしいほど良い収まり。
すっと手が伸びる位置。
言うまでもないことかもしれませんが、長方形のまま掛けても。
ま、この方がキャパシティは確保できますね(笑) 「ヘラヘラすんな!」
「私は、あたかもふつうにこう持ちます。」
もちろん尊重します。
口を後ろに、こんな風に小脇に抱えたなら!一瞬、なんなのか分からなそうな感じがいいですね。肩紐……となんか洞穴みたいなのはどこに繋がっているのだろうか……なんかもう一個取っ手もついてるし、まあ、カバンだろうな、流石に。みたいな、感じが、さりげなくてくすぐられますよね。
「BLESSのSamosaはこういうバッグです。」
素っ気なくも思えますが、今振り返ってみても、それくらいのスタンスが似合うと思います。見た目の不思議な求心力とは裏腹に、驚くほどシンプルなアイデア。すでに驚いてしまいましたが、その組み合わせのセンスにハッとさせられるのがBLESSの常。「なぜ?」という疑問を抱くのさえ忘れてしまいそうな魅力。バッグ小脇に、ぜひともおすそ分けしていただきたいものです。
“BLESS” -Samosa- [Deer Gobelin]
Size : OS ¥41,800- (tax included)
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吉田 悠人
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サマーシティーコンフォート
こんにちは。禅野です。
m’s braqueの定番、2タックのバギーパンツです。
ポリエステル100%のアムンゼン、というのは去年のモデル。
今年のモデルはポリエステル100%のクレープ織。で、洗いがかかったような見た目。
気温が上がった今「暑いねー」という声も聞きますが、まだマシ、湿度がありません。
思い出してください。これから湿度が上がり、更に気温も上がり、あの地獄の数ヶ月が訪れるのです。
外は洋服の皺なんてどうでもいいと感じる過酷な環境なのに一度室内に入れば洋服の皺が気になるのも真夏の東京の難しいところではありますが、このパンツの場合既に生地全体にシワが入っているので気にしなくてOK。で、湿度で肌はベタベタでも生地はサラサラ、更に肌離れの良いクレープ織。
とかそういう現実的な部分もそうですが、何よりも見え方がナイスですね。
サラッと涼しげな都会的なパンツ。つまり、これからの洋服です。
深い股上、2タック、クリースなしのリラックスした柔らかな顔付き
ワタリから裾へのバギーなシルエット
で、前身頃のリラックスした柔らかな顔付きとは対象的なコンパクトなヒップ
38で裾幅29cm、バギーがバギーたる所以
今時期だとカットソーの上から仮に脱いでも邪魔にならなそうな何かを羽織って出かけるくらいがちょうどいいんですかね。アプローチは違えどGiorgio Armaniよろしくなそれに加え化学繊維のチャコールグレー。テーラードジャケットを柔らかく着こなすのにももちろん向いているのですが、今の僕は「テーラードジャケットをいかに柔らかく着こなすか」よりも「だらしない気持ちがいかにバレないか」に重きを置いています。つまり、真夏の東京をいかに快適に過ごし、同じような毎日をいかに楽しむかです。サマーシティーコンフォートです。
m’s braqueのポリエステル100%のTUCKED BAGGY PANTSはその一つの答えのような気がしますね。
“m’s braque” -TUCKED BAGGY PANTS-
Color:Charcoal Grey Size:36,38,40 ¥53,900-(tax included)
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禅野 晃士
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F.LLI Giacomettiのショートブーツ:FG656。
ジップアップブーティといった方がわかりやすいでしょうか。
まるで初めて見たかのように受け取りたいので大抵のオーダー内容は忘れるように努力していますが、この靴をオーダーしていたことは「早く届かないかな」と、たまに頭の中に浮かぶように明確に覚えていました。つまり、ワクワクしていたのです。
この感じは初めて蛇のダブルモンクストラップシューズを注文した時以来でしょうか。
MANHOLEでも度々用いるように蛇、ワニ、トカゲ、ダチョウ、象、ウナギ、コードバン。
かつてはカバやアザラシ、そして鮫などの靴もあったように、エキゾチックないし変わった革を用いるブランド=F.LLI Giacomettiといった認識が強い方もいらっしゃるかと思いますが、このブランドの魅力はそこにはありません。
例えば、このFG656の特徴である剥ぎのない美しい甲、ジップアップというスポーティな機能を装飾に変えるデザイン、オブリークトゥ。
これらは全てただのデザインではなく彼らの持つ高い技術によって成り立っています。
我々が格好がいい、美しいと感じる部分のほぼ全てが彼らの腕に担保されているのです。
デザインに手を寄せる、のではなく「彼らなら出来るからこのデザイン」というわけです。
それは「出来るけどやらない」という選択肢に繋がります。それが彼らのオリジナリティにも直結しているのでしょう。
出来上がる経緯も格好がいい、美しい。
で、仕上がりも格好がいい、美しい。最高ですね〜。
“F.LLI Giacometti” -FG656- [zip up bootie]
Forma: GRIGIA TR, Chateaubriand nero ¥195,800-(tax included)
新木型Grigiaであることに加えてハンドソーングッドイヤー、そして革の取り効率が悪い(≒剥ぎが少ない≒ブーツとしての美しさに繋がっている)ジップアップブーツ。例えば同じくらいの面積で革の取り効率が良いチャッカブーツなんかと比較すると多少割高に感じますが「まあ、そういうもんか」と受け入れて一度履いてみてほしい。
と、いうわけで一足先に入荷していたブラウンスエードを買って履いてみています。
既製靴なので人によって合う合わないはあるけれど、本来コンフォートシューズの用途もあるオブリークトゥ。加えてブーティとはいえブーツなので足のサイドだけでなく足首で履く靴。
というわけで、短靴のそれよりも馴染みは早い印象でした。
で、履いてて上からふと見ると、斜めに上がったジップラインがまた格好いいんですよ〜。
おすすめです。超かっこいい靴。
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河上 尚哉
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みなさんこんにちは。
今日は朝から「おい嘘だろ……」と肩が落ちそうになる大雨でしたが現在時刻15時半、めちゃくちゃ晴れています!眩しい!ほんと嘘のよう!なんて驚いたフリをしていますが、こちとらしっかり「午後から晴天」の予報をすでにキャッチしてましたから。フン。お天道様のやつめ、見え透いた嘘つきやがって。ちょっと言葉遣いが悪かったですね、申し訳ありませんお天道様。こちら南青山半地下の窓から覗く街路樹も青々と葉を茂らせ、たいへん気持ちがようございます。
のっけから喋りすぎて喉が乾いた、ということでストリートゴッドこと自動販売機へ。ふわあー最高のお天気だ。これはもう、ロンTですね。
というわけで、CCGS16UNI A。
CLASSにおいて数少ない「今季のいつもの」のカットソーです。ロングスリーブ。
フライスは首のみ、裾も手首もすとんと落ちる作り。
唯一デザインされている部分は肩の切り替えのみ。
確か前後に肩線をずらし、着用した際に肩に縫い代が当たらないようなパターンだったような気がします。ものすごくシンプル。
と、言っても使う生地がいつも特徴的なので、生地の特徴をそのまま肌で楽しめるようにデザインされたカットソーなんでしょう。
「今季のいつもの」ということでこのカットソーシリーズの基本情報は過去の河上さんを引用しました。
今季の生地は、100% COTTON。といってもそれだけでは魅力の半分も伝わないほどに独特の風合い。
まず触れてみると、ん?なんだなんだ?粗みを感じつつスベスベしていて、紙を撫でているような手触り。しかし袖を通すと感じられるのが、伸縮性。もう不思議な感覚です。一風変わったマテリアルによい着心地というロンTには欠かせない性格がしかと兼ね備わっています。
そしてちょうどこのタイミングで(嘘じゃありません)河上さんより生地名のお達しが。
“PAPER TOUCH HIGH GAUGE JERSEY”
ペーパータッチハイゲージジャージー。ほんとまさにそう。
もしかしたら勘の鋭いみなさんなら薄々お気づきかもしれませんが、このカットソーにはいわゆる透け感があります。あえて「透けます!透けるんです!」と声高にお伝えしないのはその度合いが様々な加減によって変わるからです。光だったり、色だったり、中に着るものとの触れ具合やテンションだったりです。
ちなみにMANHOLEスタジオの撮影の殆どはビカビカフラッシュのもと行われます。なのでいつも通りそのままシャッターを切るとおそらくペーパータッチな凹凸も相まり光は乱反射。いわゆる透け感がうまく映らなかったりします。
そして本日はいつも通り撮影しました。察しの良いみなさんの心の目の開眼を強いる前に、話は昨晩の退勤前に遡ります。
「悠人、あしたこのカットソー撮るから透けておもしろそうなやつ着てきて〜」
「わかりました!」
「いがいと全然透けねえな」
「・・・」
この感じがかなり実際の透け具合に近いと思います。
個人的な感想ですが、このカットソーの透け感は「透ける?透けるかな?」という心配や「どんなスタイリングがこの透け感をもっとも活かせるのだろう」という試行錯誤とは少し距離があるような気がします。それよりも、シンプルながらどこか違った形の妙や、今回で言えば伸縮性の紙(のよう)という頭で理解するのが少々難儀な素材の肌触りを楽しむのが先に来ます。
もちろん「お、透けてるな」という状況も並行していますが、「そういえばそうだな」くらいの軽さで来ているのがクールなんじゃないかと思います。これが「クール」と「スカし」の紙一重?
ぃよおっ!これで先ほどの隆々にて持って行かれた座布団を取り戻せたかも知れません。何言ってんですかね。
白いロンTですからね。でもただの白いロンTではないんですよね。
そんなバランスを持つカットソーですから、オーソドックスストリートも普通とは少し違った仕方で似合うのではないかと。
くしゃっと捲り上げると第二のロンT、の図。
「ロンTの上にロンTを重ねるって、どうなんだ?やるのかな?洗い物増えるだけじゃね?」
そんな雑念が脳裏によぎらなかったとは言いませんが、いつものスーパーのお惣菜コーナー。シェフらによって調理されたさまざまな一品たちをいくつか選んで家に帰り、まあせっかくだからと良い感じの皿に盛ってみる。モグモグおいしいなあ、こりゃあ合うぞ……ごくごくごくごく…ごく……プハぁ〜うまい!第三のビール。そう、惣菜をパッケージのまま食べるよりも、わざわざお皿に盛って食べると美味しく感じるように、洗い物が増えることなんて気にする必要はありません。
ふう。落ち着いたところでこのカットソーがMANHOLEに並んでいる理由。
みんな大好き「今季のいつもの」だから。というのも惰性ではなく重要な一因だと思いますが、
「ロンTだからどう着てもいいんだけど。振り返るとこれまでMANHOLEではいろんなロンTを並べてきた気がする。だからみんながこれまで手にしてきたロンTを重ねてみるっていうのも良いんじゃないかなと思って」と河上さんは言っていました。
ヤッホー
視力が悪くて、かつメガネとコンタクトレンズの両方を使用している方ならきっと共感してくれるんじゃないかと思うのですが、なんであんなに気分が変わるんでしょうか?
だいたい度数は揃えているはずだから見えやすさは変わりませんし。そりゃあコンタクトは眼球に異物をぶち込んでるんだから、とかメガネをかけたら視界に枠ができるじゃんとかは分かりますけど、「今日は、こっちだな!」と決める時の気分はちょっとそれとは違っている気がします。
オレにはこう視える。と、たぶんオレはこう見られる。
なんか、広い意味での「透明感」みたいなことな気がするんですよね。
ふ……なんだか意味ありげなところで今日は……
終わりませんよ。
でもつかれたなあ
もう夕暮れかあ、肌寒くもなってきたなあ
そろそろ帰るかあ
綺麗なものや人を形容するときに、「透明感」なんてよく言いますが、あれってなんなんですかね?「透けて見えるはずがないのになんだかもはや透けて見えるような気がするんだけど!」ってこと?なんで?確かに透明度の高い水は美味しそうですけどね。たしかに(?)人物だと「天然」と呼ばれているようなタイプのような方がよく言われているような気がします。混じり気がないということ?いやいや、みんながみんなピュアなんて、んなバカな。そりゃあ天然記念物みたいな存在にも憧れはありますが、ぼくは演出された透明感も大好きです。「わ〜、とーめーだ〜!」と近づいていったらぎょ!マジかよ!嘘みたいな美しさも魅力的ですが、それがもし本当は嘘だと分かったときだって、こちら側からあちら側へ手を差し伸べることができる、そんな人間になりたいものです。今、「手を差し伸べる」と打とうと思ったら2回続けて「屁を差し伸べる」と誤タイプしてしまいました。
いつものタンクトップ。
やっぱりこのロンTはすばらしいですよ。
“CLASS” -CCGS16UNI A-
Color: WHITE Size: 1, 2, 3 ¥28,600- (tax included)
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吉田 悠人
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「河上、ごめん!覚えていたんだけど、寝てたあ。。。」
そう中台から連絡が来たのは僕がNiccolo Pasqualettiの展示会をひとしきり見終わって会場を出ようとした頃。
「あいつ来ないな。まあ昨日リマインドしなかったし、忘れてるんだろうな」と、待ち合わせの時間通りに中台が現れなかった時、僕は彼がこの場に来ないことを察しました。
朝まで遊んでいたんだろうな、みたいな日は寝坊しないのに、大掃除の日とか、時間をかけて紹介した別注の発売日とか、何故かここはダメでしょというタイミングで寝坊する中台。
そういう「なんで今日?」みたいな日の寝坊は本当にムカつくけど、その日は最初から「忘れてるんだろうな」と諦めがついていたのに加え、「そもそも二人で展示会回る必要なんて無いしな」と思っていたので、これを機に一度どういう気持ちなのか聞いてみようと思い「全然いいけど、今どんな気持ちなの?」と、聞いてみたところ「いやー、自分が嫌になるな!」と言っていました。安心しました。
さて、去年いっぱいMarsに並べていたNiccolo Pasqualettiですが、今回は中台が寝坊したのでMANHOLEに並べることにしました。自分で売りたいな、と思っていたのでラッキーです。中台、ありがとう。
“Niccolo Pasqualetti” -SPAGO SKIRT-
Color:WALNUT Size:L,XL ¥150,700-(tax included)
一枚の布、SPAGO SKIRT。
正確には裁断された4枚のポリエステルキャンバスを一枚の布のように縫い合わせて紐とジップをつけた物。ラップスカート、サロン、ギャルソンエプロン、いわゆるその類のもの。
そう考えると、renomaのこれと同じですね。使い方も一緒です。
renomaのそれは前合わせと釦があるのに対して、ニッコロのそれはサイドスリットのようになる作り。
お気に入りのパンツとお気に入りのトップス、そしてお気に入りの靴を合わせておしまい。
と、いうのはいつも通り。
ここで違うのはお気に入りのパンツとお気に入りのトップス、そしてお気に入りの靴以外の物も着てみようかな、という気持ちになれることです。それは「今、俺はこれでいいんだよ」みたいになりがちな僕にとって、とても大切なきっかけです。一見意味がないように見える切り替えが大事だということ。
一枚の布が、一枚の布で。
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